「お金の減らし方」
著者:森博嗣
を読んでみましたのでご紹介したいと思います。
お金の減らし方
誰も好き好んでお金を減らしたいとは思わないですよね。
お金を増やしたいと思うのが普通だと思います。
ですが、本書では単にお金を増やしたところで、その増やす行為自体には価値はなく,
お金は使うことで、楽しい思いをしたり、美味しいものを食べたりして得られるものに価値がある
という主張のもと著者の考えが綴られています。
それはごもっともで、お金は数字が描かれた紙切れでしかなくて、その紙切れをたくさん持っているだけでは、あまり意味はないですよね。使って初めて得られるものがあるわけです。
その上で
お金の使い方が重要
つまり、
お金の減らし方が重要
というメッセージが込められています。
- いつの間にかお金がなくなってしまったり、お金の使い方に疑問を感じている人
- 幸せに思えるお金の使い方をしたい人
にとって、お金に対しての価値観を変えるヒントになる本になっています。
ということで中身を見ていきたいと思います。
欲しいものにしかお金を使わない
誰でも欲しいものにお金を使っていると思っていますよね。
でも、著者は大勢の人は自分の欲しいものにお金を使っていないと言っています。
どういうことかというと、他の誰かに見せるために、ものを買ったり、食事に出かけたりしている人が多いというのです。
確かに、映え写真を撮るために、または人にうらやましがられることを目的として、ものを買ったり、出かけたりしている人はたくさんいますよね。
それは、自分のためにお金を使っているわけではなくて、他者がどう思うかということが目的になってしまっているということです。
もちろん、人から注目されることに価値を感じる人にとっては意味のあることかもしれません。
ですが、価値は誰のものか、他人のためのものになっていないか、立ち止まって考えてみる必要があると言えます。
ちょっと想像してみてもらいたい。もし、写真を撮って人に見せることができないとしたら、それを買うだろうか?それを食べにいくだろうか?その場所へ出かけていくだろうか?
いや、それならしません、と答える人は、自分が本当にしたいことを見失っているように思われる。
お金がないから、時間がないから、できない
お金がないから、時間がないからできないという言葉をよく聞いたりしますよね。
しかし、それは本当に自分がしたいことがよくわかっていないケースが多く、本当にやりたいと思っている人は、お金や時間をどうにか工面してしまうのです。
お金がないから、時間がないからというのは単なる言い訳であって、結局はそんなにやりたくないということです。
食費を削ったり睡眠時間を削ったりすればできることも、そこまでしてやりたくはないという選択をしているわけです。
だからどこまで情熱を持っているかということですね。
なにか買いたい症候群
お金があるからなにか買いたい。
というのはそもそも順序が違うと言っています。
本来は欲しいものがある、だからそれを手に入れるためにはお金が必要だということです。
お金があるからなにか買いたいというのは、買うこと自体が目的になってしまっているということになりますよね。
自分が欲しいものを買って、使うことで得られる価値とは違うということです。
お給料とかボーナスが入ったからといって、無駄に買い物をしてしまう人は多いでよね。
もともと目星をつけていたものを買う分には価値が得られる買い物になりますが、衝動買いを目的としてしまうのは、買っても結局使わずじまいで終わってしまったりと、いいお金の使い方ではなくなってしまいます。
経済はその方がよく回るんでしょうけど・・・。
お金の使い方はそれぞれの人の価値による
お金を使うことで楽しめないタイプの人はたくさん稼いでお金持ちになればよく、お金を使わないでも楽しめる人はたくさん働く必要はない、と本書では書かれています。
どちらも自分自身が満足できているならば、おなじことで、自分の価値に生きているわけですから、それは幸福と言えるのだろうということです。
最後に
どうでしたか。
この本にはお金を使うことの本質が詰まっていると思います。
値段というものは、ものの価値を測る物差しではありますが、その価値を見定めるのは自分自身です。
誰かに自慢したいとか、見栄を張りたいという理由ではなく、自分が買える範囲で本当に欲しいものを買うことを心がけたいですね。
お金の減らし方とは別にお金の増やし方についても本書で書かれています。
一番のお金の増やし方は仕事をすること。
もっともリスクが低く確実にお金が増える方法です。
仕事にエネルギーを注ぎ込むことと、自分自身の価値を上げるように時間を使うことで、お金を効率よく増やすことができます。
本書を読むことで、お金とうまく向き合って生きていくことがより上手くできるようになるかもしれません。
お金に支配されないように、コントロールする術を身に付けていきたいところです。
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