
やっとですね。バイクの高速料金半額がいよいよ現実味をおびてきました。
ライダーにとって朗報となるような話が舞い込んで来ました。
以前から待望されてきたバイクの高速料金半額が2022年に実際に実施されることになりました。
ただし、いくつかの条件が付けられるので注意は必要です。
そしてよくよく見てみると、
「う〜ん、本当にお得なのか?」と疑問に思えるところもあります。
が、ライダーの環境が改善される方向に動いているということは事実です。
今後の進展も期待できるんじゃないかと思えるのはポジティブだと思いますね。
今回の高速料金半額措置について見ていきたいと思います。
バイクの高速料金半額について
まず最初に言っておくのは半額というのは、今までのバイクの料金(軽自働車料金)から半額という訳ではなく、普通車の料金の半額ということです。
そもそもバイクの料金は普通車の80%(2割引)です。
普通車の半額ということは、現状のバイク料金の37.5%割引になります。
半額のとらえ方にちょっとトリックがあるように思えますが、現状より37.5%割引になるのは結構大きいですよね。
高速料金半額の条件
- 期間が2022年4月〜11月
- ETC及びETC2.0搭載車
- 一回の乗降で100km以上利用
- 事前にネットで申し込みが必要
- 適用は土曜、日曜、祝日限定
期間が2022年4月〜11月
期間が限定されているのは、利用者が多いシーズンの利用を想定していることと、観光などでの利用を促進する狙いがあるからだそうです。
確かに冬場は利用者が減るのは分かりますが、だからといって割引期間を制限するのは何か意味があるのかと疑問に思います。余計な手間がかかるだけのような気もしますが・・・。
今後通年での対応も可能性があるそうなので、まぁとりあえずやってみましょうということなんでしょうね。
ETC及びETC2.0搭載車
これはいたしかたないですね。
最近はバイク用ETCの種類も増えて、価格も以前より手頃になってきているので、高速を利用する人は付けておきたいですね。
ETC設置の助成金キャンペーンなんかもあるのでお得に取り付けられることもあります。
一回の乗降で100km以上利用
この条件もよくわからないですね。観光での利用促進の為のようですが、100km以上の遠出をすることと観光はあまり関係がないように思います。一回の乗降でなので片道100km以上の距離を高速道路で走らなければいけないことになります。
多分ちょい乗り程度で高速を利用する場合は適用しないよということなのでしょうが、わざわざ区分けするのにどんな意味があるのかと思ってしまいますね。
ツーリングは一部区間は高速を利用して、あとは自然豊かな下道を気持ちよく走るパターンが多いと思うのですが、そういう場合は条件を満たせない場合が多くなりそうです。
事前にネットで申し込みが必要
前々からのツーリングプランの仕組みを利用しているため、申し込みが必要なようです。
いずれは面倒な手間が掛からないようになることを願いたいです。
バイクの料金が今より割安で一律設定になることを。
適用は土曜、日曜、祝日限定
観光目的利用の人が利用しやすい日に設定したようですが、平日が休みの人には利用できない基準ですね。
不公平感が・・・。
バイク利用者はほとんどがレジャー目的なはずなので、平日の利用もできるようにしてもらいたいところです。
バイクの環境改善を担う自民党二輪車問題対策PT(プロジェクトチーム)なるものがある
自民党二輪車問題対策PTは全国のバイク販売店やバイクメーカーからの問題提起や要望を聞き入れて、実際の政策へ落とし込む作業をするチームです。
ずっと強い要望があった、「高速道路料金区分の独立化と料金適正化」を実際に具体化する動きが今回の二輪高速料金半額につながっています。
国交省やNEXCOがようやく重い腰を上げることになった訳です。
他にもバイクの利用環境を改善する為の要望が自民党二輪対策PTへ出されています。
全国オートバイ共同組合連合会のホームページに下記のような要望がありますが、どんどん進めてほしいですね。
会合では、全国オートバイ協同組合連合会(AJ) 吉田会長より要望事項の説明がなされました。
◇AJ要望事項
1 二輪車のETC料金導入とETC購入助成金の支給
2 二輪車の高速道路通行料金車種区分の独立
3 125cc未満の新車販売時におけるインセンティブの支給
4 二輪車の軽自動車税増税分等を充当する ことによる二輪駐車場
5 小型限定普通二輪(125cc)免許取得時の負担軽減
6 バス専用通行帯の運用基準の統一と二輪車の高速道路・路側帯の避難利用
以上
引用:自由民主党 政務調査会 二輪車問題対策PT|全国オートバイ協同組合連合会
近年高速料金の割引制度であるツーリングプランが期間限定で実施されていた
2017年から毎年バイクの高速料金が割引になるツーリングプランが実施されていました。
年 | プラン | 内容 |
---|---|---|
2017年 | 首都圏ツーリングプラン | 首都圏4コースの対象道路が定額乗り放題 |
2018年 | ツーリングプラン | 東北から九州まで範囲が拡大し4地域13コースで定額乗り放題 |
2019年 | 2019ツーリングプラン | 北海道と四国が加わり6地域19コースで定額乗り放題 |
2020年 | 2020ツーリングプラン | 2019年と同等で一部コースをリニューアル |
徐々にですが、バイクの高速料金の見直しの動きがあったことは事実です。
2022年実施の高速料金半額と以前のツーリングプランと大きな違い
【旧プラン】定額→【新プラン】定率
旧プランは定額で乗り降り自由でした。
つまり携帯電話の定額プランのように、決まった金額以上はかからなくてすみ、決まった期間(2日とか3日)内なら何回高速を乗り降りしようが余計な金額は掛からないというものです。
新プランは料金が定率で割引なので、目的地への高速料金の(普通車に対して)半額になります。それまでのプランより余計な条件がなくシンプルです。
【旧プラン】範囲あり→【新プラン】全国どこでも適用(NEXCOの管轄の高速)
旧プランは適用される範囲が決まっていました。その範囲内で定額乗り降り自由な料金なので、範囲から外れたらその分別途高速料金が掛かってしまいました。まぁ、ややこしいです。
新プランは範囲がなくなり、全国どこへ言っても(NEXCOの管轄の高速)かかる料金に対して割引になるので、旧プランよりシンプルで明快になりました。
本来高速を利用することが目的ではなく目的地へ行くための手段だ
以前のツーリングプランは条件が多くて使い勝手はあまりよくないものだったと思います。ツーリングで高速道路を利用するのはだいたいは目的地まで行って帰ってくる往復利用、もしくは時間短縮の為の一部区間の利用だと思います。だとするといくら乗り降り自由であってもあまりメリットはあまりないですよね。
2022年実施予定のバイクの高速料金半額は、その点シンプルに利用した高速区間の料金に対して割引がされるので使い勝手は向上します。
半額になるとはいえ、お得になるのか疑問も
バイクの高速料金を下げるべきという要望は以前からありました。
バイクの料金は軽自働車と同じですが、バイクは重量が軽く道路へ掛かる負荷は少ないはずで、専有面積も小さい、乗車できる人数も少ないのです。そういった観点から軽自働車と料金が同じなのはおかしいという主張がされてきました。
そしてとうとう2022年の4月から11月の期間、条件はいくつかありますが、バイクの高速料金が(普通車に対して)半額になります。
しかし、念願かなって両手を上げて喜んでいいのかというとそうでもありません。
なぜなら、すでにETC休日割引があります。
ETC休日割引は30%の割引になります。
ETC休日割引は軽自働車/バイクの料金から30%割引になります。
一方2022年実施予定のバイク料金半額は普通車の料金から半額になりますから、軽自動車/バイクの料金からの割引率だと37.5%になります。
ETC休日割引とバイクの高速料金半額は併用はできないんですよ。
つまり現状実施されているETC休日割引と比較すると、7.5%分割引になるに過ぎません。
もちろん今のETC休日割引から7.5%割引になるのは歓迎できることですが、大々的にバイクの高速料金が半額になるというのはだいぶ違う印象を持ちます。
ETC休日割引もバイクの高速料金半額も同じような条件になっています。
- 土日、祝日が対象
- ETC利用が前提
なおかつバイクの高速料金半額は
- 100km以上の利用が条件
- 事前にインターネットで申し込みが必要
という条件が付きます。
ETC休日割引から7.5%の割引に対して、事前申し込みや100km以上の利用などの手間や余計な条件を考慮しなければいけないとなると、別にETC休日割引でいいかなと考える人もいるかも知れませんよね。
せめて平日利用も可能で、余計な距離制限や事前申込みがなければ使い勝手が良くなると思うんですが・・・。
最後に
バイクの高速料金半額だー!
と喜んだものの、よくよく見てみるとあまりお得感は感じません。
むしろ、条件を考慮すると果たして使い勝手がいいのか疑問に思います。
ただ、少なくともバイクの環境改善に一歩前進したとポジティブにとらえたいですね。
今後の進展に是非とも期待したいところです。
バイクの高速道路二人乗り解禁になったのもそんなに昔の話ではないですし、AT限定免許ができて免許取得が容易になったり、ちょくちょくバイクの環境は改善されていると思います。バイクの高速料金半額も少しづつですが進展してきた結果だと受け止められると思います。
二輪の免許取得者やバイクの販売台数が近年増えていたり、バイク業界に追い風が来ている今だからこそ、これで高速料金半額は達成されたとするのではなく、よりバイクの利用環境が改善されるように引き続き動きがあることを願いたいですね。
コメント