山梨県北杜市にあるオートキャンプ牧場チロルへ行ってきました。
山梨県の西側、ほぼ長野県との境にあります。
見渡せば長野の隆々しい山々に囲まれ、眼下には山梨の街並み、緑の草原が心地よく、目線の高さを流れる雲、そしてパノラマに広がる空。
「めっちゃええやん」
キャンプ場についてのまず思った感想です。
聞いたことのなかったキャンプ場なのですが、ここは穴場かもしれないと思いました。
こんなキャンプ場
山梨県ではあるのですが、ほぼ長野県でサントリーのウイスキーや南アルプスの天然水で有名な白州市はすぐお隣。
視線を西に向ければ南アルプスの甲斐駒ヶ岳、北には八ヶ岳がそびえ立ち、草原から広く見渡せる景色は、アルプスの少女ハイジで描かれている世界観がそこにありました。
(管理棟に大きく描かれた絵がアルプスの少女ハイジを彷彿とさせますが、ちょっとシュールな印象。)
山梨には申し訳ないんですが、豊かな自然のイメージを強調しようとすると、どうしても長野に寄せたくなってしまうんですよね。
標高は800mほどで視界が開けているので開放感があります。
山と空と草原と、景観が非常にいいです。
星空もとても綺麗だとオーナーさんは言っていました。
しかし、訪れた日は夜、雨が降るくらいの天候だった為、星空は見ることができませんでした。
でも、そうなるとまた星空を見にリピートする動機にもなったりしますよね。
空気が乾燥して星を見るのに条件がいい時期に、再び星空を見に訪れるのもいいかなと思います。
もともと牧場だったところをキャンプ場にしたようで、キャンプ場をオープンしてから、もうかれこれ30年が経つそうです。
「キャンプは結構やるんですが、今までこちらは知らなかった」
とオーナーさんに話すと、
「宣伝には力を入れていないから、でもリピーターが多くて、親に連れられて来た子供が大人になってその子供をまた連れて来たりするんだ」
と言っていました。
人柄のいいオーナーさんです。
牧場の雰囲気を大切にしているんでしょう。
キャンプサイトはキャンプ場の上段で平らに整地されていますが、サイトの前方は柔らかく傾斜した草原。
草原には視界を遮るような余計なものはなく、
唯一牧場で使っていたと思われる器具が置いてありロケーションの一部になっています。
子供達と草原で走り回ったり、サッカーしたりいいスペースです。
このスペースにテントを張ることはできません。
テントを張れるようにすれば、もっとたくさんのお客さんが訪れることができるところ、あえて贅沢にスペースを取っているんだろうと思いました。
牧場の雰囲気、パノラマが広がる景観が素晴らしく、そしてアットホームな感じのキャンプ場でした。
キャンプ場情報
全て区画サイトになります。
(チロル牧場のホームページによると合計30区画あり、1サイト約6m×12Mとのこと。)
キャンプ場自体が傾斜している草原の丘のようになっていますが、テントを張るサイトは平らに整地されています。
サイトごとが段々になっていて隣のサイトと区別できるようになっています。
車の横付けが可能です。
車はサイトの上段に停めることになるので、車が視界に入らないようにサイト作りができます。
ただ、サイトの区画内の広さが結構狭かったです。
大きめのテントを張ったら、タープを別のスペースに張ることはできない感じでした。ソロテントとソロタープくらいなら収まりますが、複数のグループでキャンプする場合複数の区画サイトを使う事を検討した方がいいかもしれません。
(サイトによっては広めの場所もあるようですが、キャンプ場の端の方になるので、ロケーション的には少し不利になってしまうかもしれません)
訪れた日は台風が通過する予報だった為、ほぼ貸切状態。
普段はもっと埋まるようですが、お客さんはリピーターの方が結構多いようです。
結果、さほど雨は降らず、翌日は晴れました。
青空と共に低い雲が周りの山々にかぶる景色が壮大な感じでよかったです。
雨でもキャンプに繰り出してみると、それはそれで普段見られない景色が見れたりして新たな感動があったりします。
まぁ、濡れたテントの片付けなどはかなり面倒なことになりますが・・・。
撤収日に晴れれば気合いで粘ってでも乾かす!
住所:山梨県北杜市武川町柳澤3274-14
TEL:0551-26-3639
営業期間:春先〜11月頃
チェックイン:14:00
チェックアウト:13:00
チェックインは遅めの時間ですが、その分チェックアウトもゆっくりできる設定になっています。
ただ、事前確認で了承の上ですが、今回僕らはお昼前にチェックインできました。
オーナーさんのさじ加減があるようなので、その時の状況次第で融通はきかせてくれるようです。事前に問い合わせてみる価値はあるかと思います。
受付時、チェックアウトの時間も、「ゆっくりしてっていいよ~」とはっきりした時間は言われなかったです(笑)
天気が悪かったので他のお客さんがいなかったのが大きいと思います。
料金
区画単位の料金設定になっています。
1区画(5人まで)¥6000
(6人目から1人につきプラス¥1000)
設備
【水場】
キャンプ場内に一つあります。
広いキャンプ場ではないので、一箇所で十分といった感じです。
シンクはとても綺麗に清掃されていました。
【トイレ】
トイレもキャンプ場内に一箇所です。
水場の建物内にあります。
綺麗に清掃はされています。
【シャワー】
温水シャワーがあります。
3分¥100 (使用可能時間9:00~22:00)
【管理棟】
受付とジュースやアイスなどちょっとした物が置いてある売店が併設してあります。
売店の充実度は低めです。
ロケーション
高台にある牧場。
開けた草原があり、山々に囲まれ、街を見下ろすこともでき、空は広くと、色々な景色が一度に視野に入ってくるキャンプ場です。
ただただ椅子に座って、景色を眺めているだけでも十分に時間をつぶせます。
草原の芝生がふかふかで、裸足で歩いても気持ち良いです。
良質な芝生で刈り込まれていて管理されている感じです。
また、星空も綺麗だそうで、景観はとてもよいと思います。
(天候が悪く星空を見ることはできませんでしたが。)
それとキャンプ場からの景色ではないですが、キャンプ場付近に広がる田園風景がまたいいです。
キャンプ場へ向かう途中に、稲穂が敷き詰められた田んぼがあります。のどかな風情を感じられていいですね。
田園の中を走る道をバイクで走ったりしたら最高だと思いました。
知らなかったのですが、ここらで栽培されているお米は「武川米」というブランド米で有名だそうです。
南アルプスの清らかな水によって上質なお米に育つそうです。
グラウンド状態
ふかふかの芝生がとても気持ちいいです。
テントサイトは平らで、傾斜はほとんどなくリラックスできます。
コットなしで直に寝ても問題なさそうです。
ゴミ捨て
ごみ捨て場が水場のところにあり、分別して捨てることができます。
焚き火
綺麗な芝生なので、もちろん直火は禁止。
焚き火台を使用して焚き火できますが、
コンクリートのブロックを焚き火台の下に敷くことになります。
焚き火台を使用しても芝生にダメージが出ることがあるので、しょうがないですね。
重たいコンクリートブロックを置いてある場所から自分のサイトへ運ぶのが少し大変でした。
気になった点
サイトの広さや形がまちまちで、サイトによっては大きなテント
ロケーションが良くサイトも綺麗に整えられていて、居心地がいキャンプ場ですが、気になったのが「虫」です。
特にブヨと蚊にだいぶやられました。
ブヨが多かった印象です。
気がついたら足にくっついて血を吸ってました。
何箇所か吸われて、大きく腫れました。
腫れがひどく、痛かゆくなるところが蚊よりやっかいです。
蚊も結構いました。
蚊は耳元でなるあの羽音がストレスで、鬱陶しさの極みです・・・。
蚊取り線香を焚き、より効果があるとされているパワー森林香も焚きました。
ただ、屋外で蚊取り線香系が効くのかは、はなはだ疑問に思ったりもします。
虫除けスプレーも体にかけましたが、それでも刺される時は刺されますよね。
温泉に入ってすっきりした後に、再びハッカ油を体に塗りたくる羽目になり、風呂に入った後に体を油でコーティングするというのはちょっと悲しい気持ちになりました。
肌を直接露出しないことが対策としてはいいのかもしれませんが、なかなか夏場の暑さの中では難しいところでもありますね。
オーナーさんも言っていたのですが、キャンプ場の特徴は開けたロケーション、空も広くて星空も良く見えるところです。
ですが裏を返せば、日差しを遮るようなものがサイト場に少なく、直射日光を受けてしまいます。
気温が上がる時期は日陰を作らないと厳しい環境です。
なので夏場はタープは必須かと思います。
日差しが強くても、タープの日陰の中にいれば、心地よい風が感じられました。
料金設定が少し高いかなとも思いました。
1区画単位の料金設定で¥6000なので、ソロとかでふらっと行く感じにはなかなかならないです。
複数人での利用が前提でないとちょっと手が出ないかもしれません。とはいえ区画サイトの面積もそんなに広くないので、テントのサイズにもよりますが、張れるテント数も限られてしまう感じでした。
ファミリーキャンプで利用するのが向いているのかもしれませんね。
周辺情報
《コンビニ》
セブンイレブン 北杜武川店 キャンプ場から7km
《スーパー》
スーパーおの キャンプ場から5km
《温泉》
むかわの湯 キャンプ場から5km
キャンプ場で¥200引きになる割引券がもらえます。
お風呂の種類が数種類あり、充実設備で快適な温泉施設でした。
料金は通常¥820ですが割引券利用で¥620になります。
アクセス
中央自動車道須玉ICから12km 約20分程なのでアクセスはまずまずです。
最後に
眺望が良くて牧場の雰囲気がまたよくて、のんびりのほほんとするのにいいキャンプ場でした。
温泉(むかわの湯)も近くて快適キャンプでした。
ブヨと蚊の襲撃を除けば・・・。
夕方から日暮れあたりが被害のピークでした。
対策を考えるか、心構えをするかが必要ですね。
春先か夏が終わる頃に訪れると虫の活動も少なくなるかもしれません。
星空を期待して、空気が澄む秋から初冬を狙ってまた訪れるのもいいかなと思いました。
虫に関しては夏場はもう少し標高の高いところまで行くか、海辺付近を狙えば被害を少なくすることができるかもしれません。
まぁ、虫のいるところに人間がお邪魔させてもらってると考えるとあまり邪険に扱うのも申し訳ない気もしますが、やっぱ鬱陶しいですもんね。
人間のエゴだなぁ、なんてそんなことを思っても蚊を潰してしまうんですけど。
キャンプたるもの虫くらいでびーびー言ってるんじゃないわ!
なんて他人には言ってたりするものの、
もう少し虫が少なくなる時期にまた訪れたいですわ。